火災保険で雨漏りの修理は可能?申請の流れや注意点など徹底解説

長く住んでいた建物に雨漏りが発生した場合、火災保険を活用して修理できる場合があります。


その場合、いくつかの条件があるため、事前に該当する条件を知っておくことで万一の際でも対応できるでしょう。


そこで今回は、火災保険で雨漏りを修理できる条件や申請の流れ、注意点などについてご紹介いたします。



火災保険で雨漏り修理ができるケース

雨漏りが発生した場合、どのような場合でも火災保険を活用できるわけではありません。

雨漏りの原因によって、火災保険を利用できる場合とそうでない場合があります。

ここでは、火災保険で雨漏り修理ができるケースをご紹介いたします。



ケース1. 風災


風災とは、風に関係する災害によって発生する被害のことを指します。


具体的には台風や竜巻、強風や旋風などによって生じる強風です。


強風によって生じる被害の例としては、瓦のずれや飛来物による破損、雨樋や屋根の変形などによって生じる雨漏りです。


このような自然災害が原因で破損して生じた雨漏りには、火災保険が適用されます。



ケース2. 雪災


雪災とは大雪や雪崩による被害のことです。


例えば、大雪に伴う屋根の破損や積雪の落下による破損、雪解け氷などによって生じる雨漏りがこれに該当します。


降雪量の多い地域では特にこの被害が多いため、雪災による雨漏りでも適用されることを覚えておきましょう。



ケース3. 雹災(ひょうさい)


雹によって生じた屋根の破損箇所から発生する雨漏りも、火災保険の対象です。


近年ではさまざまな地域で大粒の雹が発生しているケースがあります。


そのため、自身の住むご自宅が雹によって破損した場合には、火災保険を活用して雨漏り修理を行いましょう。



火災保険で雨漏り修理ができないケース

雨漏りが発生した場合、火災保険が適用されないケースもあります。


ここでは、火災保険で雨漏りが修理できないケースについてご紹介いたします。



経年劣化の場合


経年劣化が原因の雨漏りの場合には、火災保険の適用ができません。


火災保険が適用されるケースは風災や雪災などの自然災害ですが、災害発生直後に被害に気が付かないというパターンがあります。


その場合には、自然災害が原因なのか、経年劣化が原因なのかという点をしっかり調査されるでしょう。


もしも、ご自宅のメンテナンスを怠っている・劣化が進んでいるという状態であれば、自然災害よりも経年劣化が原因であると判断されかねません。


そのため、火災保険を正しく適用させるためにも、定期的にメンテナンスを行っておくことをおすすめします。



施工不良の場合


新築工事の際の施工不良が原因で発生した雨漏りは、火災保険の適用にはなりません。


火災保険が適用されないケースはいくつかありますが、その中の1つに人的なミスや過失が原因といったものがあります。


施工不良の場合には、これに該当するため火災保険を活用した修理はできません。


ただし、新築工事を行ってから10年以内であれば瑕疵担保責任保険という別の制度により無償で雨漏りを修理してもらえます。


これは法律で定められた制度であるため、必ず修理してもらえるでしょう。


また、新築工事を行った業者が倒産していたとしても、この制度を活用できます。



火災保険で雨漏り修理を行う流れ

ご自宅で発生した雨漏りが風災や雪災などのような自然災害が原因であった場合、申請のための手続きを行わなければいけません。


ここでは、火災保険で雨漏り修理を行う流れについてご紹介いたします。



1. 火災保険会社・保険代理店へ連絡


雨漏りが発生した場合、最初に行うべきことは保険会社・保険代理店への連絡です。


その際に、どのような状況においてどのようにして雨漏りが発生したのかなど、詳しい被害の内容を説明しましょう。


このタイミングで保険適用の可否、申請のために必要な書類の送付なども併せて確認してみましょう。



2. 修理業者に調査・見積もりを依頼


火災保険を活用して雨漏り修理を行うといっても、どのような被害状況・どれくらいの費用になるのかを事前に確認しておいた方が良いでしょう。


信頼できる修理業者に連絡を取り、現地で状況の確認や見積書の作成を依頼しておくことで、保険会社・保険代理店との打ち合わせがスムーズに進みます。



3. 火災保険金請求の必要書類作成・送付


保険会社・保険代理店から案内や必要書類が到着したら、それに必要事項を記入し返送しましょう。


火災保険の申請に必要な書類は主に、「保険金請求」「事故状況報告書・損害箇所の写真」「修理費用見積書」の3点です。


修理費用見積書は、修理業者に提示してもらった費用を記載しましょう。


事故状況報告書には保険証番号や破損発生の日時状況・原因などの状況に関する情報など記載するべきことは多くあるため、修理業者に対応を依頼するのも1つの手です。



4. 火災保険会社による調査・審査


申請を受けた保険会社・保険代理店は、第三者機関である損害鑑定人を現地に派遣して調査を行います。


鑑定人は申請内容をもとに損害状況や被害額の算出、損害の発生原因の判定などを行って作成した調査書を保険会社に提出します。



5. 火災保険金の入金


損害鑑定人により報告を受けた保険会社が審査を行い、申請内容が認められると火災保険金の入金が行われます。


入金が済んだ時点で、早急に修理業者に施工を依頼しましょう。



6. 雨漏り修理工事の依頼・施工


雨漏り修理工事を修理業者に依頼し、補修を行ってもらいましょう。

事前の工期などを確認し、なるべく早急に対応してもらうことをおすすめします。



火災保険で雨漏り修理をする際の注意点

火災保険で雨漏り修理をする際に、いくつか気をつけなければトラブルになるポイントがあります。


ここでは、火災保険で雨漏り修理をする際の注意点についてご紹介いたします。



保険の種類を確認する


火災保険には免責方式とフランチャイズ方式の2種類があります。


免責方式は、自己負担額をあらかじめ決めておき、損害額が自己負担額以下であれば修理費を自身で負担し、それ以上であれば被害額と自己負担額の差額分のみ受け取れる方式です。


一方でフランチャイズ方式は、被害額20万円を基準として、それ以下であれば修理費は自己負担、それ以上であれば保険料を上限額まで受け取れるといった違いがあります。


保険の種類によって受け取れる保険料に違いが生じるため、確認しておきましょう。



火災保険の適用を確認してから工事を契約する


修理業者に補修工事を依頼する場合、保険会社による申請が下りた後に依頼することをおすすめします。


雨漏りの火災保険申請は、場合によっては経年劣化が原因と見なされることもあるため、必ず下りるとは限りません。


そのため、施工を依頼した後になって申請が下りなかったというケースもあるため、注意しましょう。



早めに手続きをする


保険金を請求できる権利は、3年を経過すると時効を迎えて消滅することが定められています。


そのため、自然災害による被害が発生したことを放置していると、適用できるはずの火災保険の制度が適用できなくなる可能性があります。


自然災害による被害が発生したら、先延ばしにせずに早急に手続きを行いましょう。



火災保険は代理申請できない


火災保険申請は加入者が行うべきものであるため、第三者が代理で申請することは火災保険の契約違反になるケースがあります。


修理業者の中には、代理で申請できると言ってくる業者があるかもしれません。


しかし、火災保険を代理で申請すると、保険金詐欺と見なされることがあります。


そのため、火災保険は必ず自身で申請する必要があることを覚えておきましょう。



悪徳業者に注意する


業者の中には、火災保険が適用できない修理でも火災保険を適用させるために嘘の申告をするようにすすめてくる悪徳業者が存在します。


また、保険金が下りると言って必要のない工事を提案してくるといったケースもあります。


仮に悪徳業者に依頼すると品質の悪い施工をされたり、相場よりもはるかに高い費用を請求されたりする可能性があるため、必ず信頼できる業者に修理を依頼しましょう。



まとめ


火災保険を活用することで、屋根破損による雨漏りをお得に修理できることがあります。


しかし、申請の際は必要書類を用意することをはじめ、さまざまな注意点があります。


屋根破損は突然起こるため、万一の事態に備えて事前に申請方法や必要書類、信頼できる業者を探すなどの準備を進めておきましょう。